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そりゃあ逃げるに決まってるだろォーーー！？
って言いたかったけどさーーー！


俺様の住んでるところは田舎のほうだから、たまに部屋の中に虫が現れたりする。
でも、今日みたいに10センチ級の特大ムカデが現れることは、めったにない。
俺様、虫は平気だけど、さすがにムカデは嫌いだし・・・
できることなら見なかったことにして逃げたかったよ。

でも、もう部屋の中に入っちゃってるしさー！
すぐそこを悠々と這ってるしさー！
どっから来たんだクソ野郎ー！
妹はびっくりして泣き出すしさー！
このままほっとくわけにもいかないしー！
俺だって泣きたい気分だけどー！
男の俺が逃げるわけにはいかないんだよー！

しかたないから「戦う」だよ。リアルドラクエだよ。
いや、ムカクエか？いやな名前。
こんなにドキドキする戦闘は久々だよ。


殺虫剤は探してもなかったから、ほうきとちりとりを装備。
ほうきで掃いて、ちりとりに乗せて、すばやく窓の外に投げる戦法を考える。
しかし、奴はなかなかの重量で動かなくて、すばやく逃げられた。失敗！
さすが足がたくさんあるだけあって、奴の逃げ足は速いんだ・・・
必死に追いかけたけど、ほうきの届かない物陰に逃げられてしまった。

いつまで待っても出てこない・・・

しかたないから休戦。装備を外してくつろいでみる。
でも、いやーな気分。
まだ戦闘途中なのに、早く姿を見せろよ野郎・・・とイライラしてたら。

妹が青い顔してる。
え、なに？出た？どこ？


ぎゃーーーー俺の足元！！！！！！
いつの間に超接近してやがんだぎゃーーー！
阿鼻叫喚。装備しなおす時間もない！
俺はとっさに、近くにあったティッシュペーパーを取った！
3枚重ねで、すばやく掴んだ！
ぎゃーーーーーー掴んじゃった俺ーーー！！！
でも奴はウニウニ動いて逃げ出そうとしてる！ぎゃーしぶとい！
俺様の手の上を這うのだけは断固阻止せねば！！
もう片方の手で、さらにティッシュを増量して、ぐるんぐるんに丸めた！
奴はようやく動かなくなった。俺様急いで窓からぽい！思いっきり遠くに！

辛うじて勝利。


はーーー・・・なんとか勝てた。
俺様、泣かずにがんばっただろ。ほめろよな。
でも、いくらほめてくれても、ムカデと戦うのはもう嫌だぞ。
嫌だけど・・・
頼りにされたら、やるしかないんだけどな。

男って辛いな・・・えぐえぐ

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